「亜愛一郎の転倒」 泡坂妻夫


亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)

亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)

 

「心のない悪という字です」   

 

内容

不可解な事件に遭遇する短編集
 

感想

はい、現場の状況がこれ。不思議でしょう? 実はこうでした――
この間わずか一瞬の数十ページ
もうただぽかんとして魅せられるだけでした
奇妙な事件、大胆な伏線、意表をつく解決・・・
とても素敵な短編集でした。
 

「四畳半神話体系」 森見登美彦

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

すでにこちこちになって虚空に屹立している人格を無理にねじまげようとすれば、ぽっきり折れるのが関の山だ

ダメ大学生賛歌

内容

平行世界で繰り広げられるダメ大学生活
 

感想

自分を含む、全てのダメ大学生は本書を読むべき。
とかいって友人に薦めて回りたくなるほどのパワーがある本でした
いや、まあ読んだからといって、ダメな日常が変わるわけではありませんが
ダメなものはダメなんですよ、
でもダメなりに堂々と、ダメなりに前向きに、肯定はしないけれども
ネガティブにならないルサンチマン?みたいな
実に傑作でした。
 

妄想

キングオブ悪友の小津との、残念な男の友情が涙を誘う・・・

「見えないグリーン」ジョン・スラデック


見えないグリーン (ハヤカワ・ミステリ文庫)

見えないグリーン (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

内容

久しぶりに再開した「素人探偵会」のメンバーが次々に殺されていく
密室、不可解、不可能な犯罪の数々


 

感想

痺れました。独創的なトリック、大胆な伏線、精緻な構成、解決の光明・・・
こういった作品があるから、ミステリを読むのはやめられません
 

妄想

読む読まないはいい、いいから買っとけ、と言える作品
どーせ数年後には手に入らなくなるわけですよ
でもとりあえず復刊した早川さんGJ
これからもがんばってー
 

「マイナス・ゼロ」広瀬正


 

内容

昭和のタイムトラベル
待望の復刊
 

感想

かなり期待して読んだのですが、それを裏切らない良作でした。
とても読みやすく、昭和の雰囲気も楽しく、物語もきっちり収束し、
なぜこれが絶版だったのでしょうか・・・
他にも復刊するらしいので、それらにも期待です。
 

妄想

けなす所はなにもない作品だが・・・しかし、違う・・・
なぜ近い過去にしかいかんのだ
俺が読みたいタイムトラベルは、もっと大風呂敷を広げたやつなんだ
未来世界とか、時空とか、歴史の闇とか、魔術とか・・・
 

「物理学者はマルがお好き」ローレンス・M・クラウス


物理学者はマルがお好き (ハヤカワ文庫・NF)

物理学者はマルがお好き (ハヤカワ文庫・NF)

 

 私が本書でやりたいのは、現代物理学というジャングルの中の踏み荒らされた道を示すことではなく、ジャングルを歩き回る方法を教えることである

 

内容

素粒子から宇宙まで、ニュートンから相対性理論量子力学まで
 

感想

まさに、センスオブワンダーというやつでしょうか。
幅広く深く専門的に、しかし身近な例も忘れずに
少々筆が走りすぎているところもありますけど
全体的にはかなりわかりやすくなっているのではと思います
物理取った高校生とかに読ませたいですね
 

妄想

なんで突然こんな本読んだかって?
萌えキャラが帯にいたからだよ!

ハヤカワやっちまったなとは思うものも、
つられて買ってしまう自分のような愚か者もおり、まあねえ……
 

「せどり男爵数寄譚」梶山季之


せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)

せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)

 でも、あたしは、本の悪魔に、その時、魂を売ってしまった。
 その時から、本の虫が、私の体に巣喰い、いまや骨の髄まで喰い荒らしてる、ハッハッハ……

 

内容

せどりとは、書籍・雑誌などを古書店から安く購入し転売する行為。
背取り - Wikipedia
古書に憑かれた男の、本にまつわる連作短編集
 

感想

ああ、ブックオフで絶版本にめぐり合ったときの喜びといったら……
そんな思いを共有する人ならきっと楽しく読めるでしょう。
さらっと読める割に、奇妙な話、ゾッとする話などがあり、案外懐が深いです。

妄想

でも急進派の私は、電子ペーパーさえあれば、全ての本を処分できて
古本という概念すらなくなるのになあ、とか思ってたり
 

「百万のマルコ」 柳広司

百万のマルコ (創元推理文庫)

百万のマルコ (創元推理文庫)

妄想

 

                    おれは今やつのジパングをほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは黄金を捨てて助かったと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        いつのまにか大量の黄金を手に入れていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    強奪だとか砂金を集めただとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…