Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 11人 クリック: 362回
- この商品を含むブログ (260件) を見る
そんな説を考えた奴の頭を一度かち割ってみたいものだと思う
内容
時空とか宇宙とかがこんがらがった中の連作短編集
感想
Q. どの程度わかりましたか?
A. さっぱりです
Q .わからないのに面白いのですか?
A. 面白いのです
妄想
なんか珍しく長くなったな・・・以下は暇な人用
この作品の感想を検索すると「わからないけど面白い」というのが多い(私もだ)。無論わかればもっと面白いだろう。ということは、「わかる人にはわかるように書きつつ、わからない人にもわからないなりに面白く読めるように」マルチにフレキシブルに書いているということに・・・天才だなあ、でも「Yedo」とか読むとバカっぽいなあ・・・天才を突き抜けた馬鹿をさらに突き抜けた天才? まあとにかく天才さんだ。
それはさておくとして、本書に対して「わからなかったからつまらない」というのは、実にシンプル明快な批判である。だが「量子力学をわかったというやつは、実は一番わかってない」という言葉もあり、「わからなくて正解。わからなさを楽しむのです」と言える、と思うような気もする。
じゃあどう楽しむか説明しろよ、と言われると困ってしまう、
そうだなあ・・・表層だけ追っても結構楽しいのである。気のきいた言い回しがあって、オチが叙情っぽかったり、馬鹿馬鹿しかったりして、でもそれは本質じゃない気がするなあ。なんだろう・・・なにか巨大なものの一部を見せられて、うわーでかそー、みたいな。真っ暗闇の中、私の貧弱な知識ライトで照らしてみたそれは、なんだかごちゃごちゃ複雑で、メカメカしくて、ブィーンピコピコしてて、圧倒的な質量っぽい感じでたたずんでいた的な・・・ああ、そうか、ひょっとしてこれを、「センスオブワンダー」とか言っちゃうのかもねー。