読書管理のwebサービスを使ってみた感想(2009年1月)

読書・蔵書管理・本棚のWebサービス一覧。どれが適しているか?(2008年7月23日時点)
上記の記事を読んでいろいろ使ってみて数ヶ月たちました。
今実際に3つの類似サービスを使ってます。
なんで3つも? ってあたりを含めて、使用感を紹介してみたいと思います
 

Stack Stock Books

人気度; はてブ 286 user夜は短し歩けよ乙女(文庫) 19 user 
最終更新 08/12/10
私の登録数: 858冊 
使用目的; 読んでない本の管理(積読とウィッシュ)
使用感:
 面白そうな本があったらブックマークレットでウィッシュに登録
 本屋行ったらそれを携帯からチェックして、実際に買ったら積読に登録
 携帯がdocomoの人は携帯のカメラでバーコード読めるらしい 
 ユーザー数が少なめなのでソーシャルな面は少し弱い
 APIが公開されてるので、拡充によって化ける可能性も
 

メディアマーカー

人気度: はてブ 673 user 夜は短し歩けよ乙女(文庫) 98 user
最終更新 09/01/23
私の登録数: 731冊
使用目的: 既読本に★の評価と、タグつけて管理
 
使用感:
 読んだ本を管理、とにかく管理
 現状最強の多機能サービス。
 タグ、★、お気に入り、購入金額、再読、マーク、カスタマイズ、アソシエイト、RSS、一括登録、独自メディア登録
 csvインポート/エクスポート、htmlエクスポート、一括検索、My図書館、物々交換・・・
 今年に入ってからも続々機能追加中・・・とても書ききれません
 欠点と言えば、そんな多機能使いこなせねー、というぐらいではないでしょうか?
 3つのうち、どれか1つにしろと言われたら、まよわずこれですねえ
 

読書メーター

人気度: はてブ 1102 user  夜は短し歩けよ乙女(文庫) 222 user 
最終更新 09/01/10
私の登録数: 17冊 
使用目的: お手軽だから、あと使用者が多いので
 
使用感:
 上二つの保険的な感じで使ってます。機能は今後に期待。
 とりあえずインポートとエクスポートをさせてほしい・・・
 あとは圧倒的なユーザー数を強みに、ソーシャルな方向に特化すれば
 メディアマーカーと差別化できてよさそうではあります・・・
 
紹介は以上です。以下はおまけ
 
なんで珍しくこんな紹介記事を書いたかというと、理由はただ一つ、「他人の本棚が見たい」これに尽きます
書評サイトとか巡っててもリンク貼ってる所は、まだまだ少なくて残念なのです
マイページで自演してみるとですね、こういうことがしたいんですよ
「新刊ハードカバー全然追ってないね・・・文庫待ち派か・・・「赤と黒」★3とかねーだろ・・・お、長門有希の百冊とかいうタグがある、★5多いのは長門補正か? ××は回避して、○○は読んでみるかー」
みたいな
 
まあ、あんまり気負わずに、読んだ本の登録だけなら一瞬ですし、
あとは思い入れの強い奴は感想書いたりタグつけたりして、数年すれば宝物ですよー
てなわけで、是非是非試してみてください

「ウロボロスの波動」 林譲治


ウロボロスの波動 (ハヤカワ文庫 JA)

ウロボロスの波動 (ハヤカワ文庫 JA)

 

 だから人間の将来について、楽観も悲観もしていない。太陽が燃え尽きるまで、人類は太陽系で繁栄する。案外人類の運命とはそんなものでないかと思わなくもない。

 

内容

100年後の太陽系のハードSF連作短編集
 

感想

 落ち着いた重厚な世界観が良いです。
 太陽系に進出した、あまり階級に上下のない科学者中心の社会とか。
 そしてやっぱり対立しちゃう地球人とか。
 最初に謎があってのミステリ仕立ての物が多いです
 手がかりも揃っていて・・・本格・・・まあ解ける訳もないのですが、割と納得できたりする不思議。
 ちゃんと驚かせてくれる場所もあります。
 ただ、続きものとは知りませんでした。
 まあ本書が傑作だった以上追いかけますけどね。
 

妄想

「ほんと地球人テロとかやめろよなー
地球人ってどうせあいつらだろ、あそこらへんの国」
とか思ってたら、
『法整備が甘いからほとんどのテロリストは日本国籍
ちょwwおまwwリアルwww
 高性能AIが、人間を排除するのが、IDを消すだけというのは
緊迫した状況の中微笑ましくて良かった。AI萌え〜

恒星間無人探査機リチャード三世

名前ひどすぎワロス
 

「裏窓」 ウィリアム・アイリッシュ

 

   ふたりはキスをかわした。赤い血のしたたる、死の接吻。

 

内容

全9編の短編集

「裏窓」
 映画にもなっているらしい、窓から犯罪を推理する表題作
「じっとみている目」
 全身不随の老婆が犯罪を告発する
「死体をかつぐ若者」
 父親のために殺人を隠蔽する話
「ただならぬ部屋」
 大技の密室もの


 

感想

サスペンス中心の古き良き名作短編集でした
全体的にレベルが高く、オチも良く、安心して読めました
シンプルなストーリーもかなり読ませるのは、さすが「幻の女」の作者です
創元の2007復刊フェアで入手したのですが、
他にもまだ手に入る作品は多いようなので、今後も読んでいくと思います

「秘剣花車」 戸部新十郎


秘剣花車 (徳間文庫)

秘剣花車 (徳間文庫)

 

 「しかして"花車"の心は、花に埋もれて死ぬるばかりでござる」  

 

内容

剣に生きた男達の物語十編
 

感想

文庫本350ページに十編の剣豪小説というと、一見短すぎるように思えますが、
そんなことは全くなく、実に密度の濃い短編集でした。
静かに語られる生き様死に様に、心の底から痺れました。
白眉は表題作の「花車」、花に埋もれて・・・なんとも美しい

「山魔の如き嗤うもの」 三津田信三


山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)

山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)

 

   「山魔に嗤われたら
   ……終わり」

 

内容

忌み山、消えた一家、童歌の見立ての連続殺人
そして、山魔
 

感想

凄絶な傑作でした。
ホラーとミステリをあっさりこなしてみせる作者の力量に脱帽です。
終盤の畳み掛けはリーダビリティとミステリとの間の、
ぎりぎりの絶妙なラインだと思います、お見事。
 

妄想

鬼警部が良いツンデレであった。
やはり刑事は最初は軽んじつつも、結局は名探偵の頭脳にデレるものだ。
デレ名シーンはp307、317の

「ア、アンタにそんな危険な真似させられるわけないでしょ!」(跳訳

 

「笙野頼子三冠小説集」 笙野頼子


笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)

笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)

 

 だがしてきたはずの何かは、自分の部屋の外に出た途端にナニモシテナイに摩り替わってしまった。

 

内容

それぞれ、文学賞を受賞した三つの小説が収められた短編集
 

感想

賞を取った小説なら、分かりやすくとっつきやすいだろう、と思いましたが・・・
結果、文学賞を遥か何億光年かなたの星の様に感じましたとさ
特に芥川受賞作品がさっぱり、というのがなんとも情けない話です・・・
 

「柔かい月」イタロ・カルヴィーノ

柔かい月 (河出文庫)

柔かい月 (河出文庫)

 

では、こんなふうに話を始めよう。ひとつの細胞がある。そしてこの細胞は単細胞生物で、この単細胞生物が私である。   

 

内容

細胞やら惑星やら時間やら道路の渋滞やらの、連作短編集

 

感想

科学のような論理のような幻想で、めくるめくように綴られる物語は・・・
さっぱりわけが分かりませんでした
分からないなりに、幻想的な鳥の起源やら、恋して分裂する細胞の話などは
割と面白く読めたのですが、後半の論理中心の話は、回りくどさしか感じませんでした。
解説を読んだら、なんとなく分かった気にはなれましたが、
うーむ・・・他の作品には手を出さないかもです